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Exhibition
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​「老いた山羊」/22×15cmm

榎並和春ドローイング展
旅寝の夜話
2022年4月28日(木)-5月15日(日)
10:00~20:00
​火曜・水曜 定休
山口画廊
と同時開催

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「丁寧な暮らし」というワードが流行ってしばらく経ちます。このコロナ禍の中で生活を見直す人が増え、そのニーズに合わせたように色んなメディアがこぞってこのワードを表示していた時期があった気がしますが、そもそも「丁寧な暮らし」とは何を指すのか、試しにインターネットで検索してみたところ大して中身ある記事は見つからず「北欧インテリア」や「オーガニックな食品」「日本の職人さんが作った道具を使う」といった類の紹介例ばかりが出てきました。何か「これではない」という感覚を引きずりながらふと榎並さんの作品を見たときに「これこそが丁寧な暮らしではないか」と反射的に思いました。

 榎並さんの絵の題材となるものは様々で、そのあたりにある日常的な事物から市井の人たち、何気ない風景、かと思えば神聖な祈りを思わせるモチーフなどありとあらゆるところから拾われています。ばらばらに見えるモチーフたちですがひとつ言えるのは、どのモチーフも必ず榎並さんの人生の中に「在った」ものなのだろうということです。当然ですが人は自分が知らないものは描けません。リンゴの存在を知らない人に「リンゴを描け」と言っても無理なことのように、その人の人生の中に存在する事物しかモチーフにはできないものです。逆に言えばモチーフの幅の広さはそのまま人生経験の広さとも言えます。決して長くない人生の中で起こる事柄や出会う人たち、そういった事象とどれだけ向き合い自分の糧にしていくか…それは自分という人間を形作っていく上でとても大切なことではないでしょうか。

 「丁寧な暮らしをする」とはつまりそういうことではないかな、と思います。自分の声に耳を傾け、日々起こるたくさんの出来事の中から美しいものを自分で見つけられる生活。音を聴き、よく味わい、手触りを感じ、香りを楽しみ、彩を心に刻んでいく…そうして見つけ出す美しさを人によっては音楽に託し、人によっては絵に表し、そして表現にたずさわらない人達でも必ずその人自身の形となってその美しさは現れるように思います。丁寧に暮らしていくこととはきっと自分と丁寧に付き合っていくことなのでしょう。

 改めて榎並さんの絵を見たとき、多くの人々が見過ごしてしまうような物事の中にも榎並さんは美しさを見出せるのだろうと思いました。一人の人生の中で起こる事柄はこの世界で起こる全ての事柄の中のほんのわずかでしかありません。そう考えると人生の中で出会う全てのことは奇跡的な確率で自分と出会ったのだと思います。そういった沢山の奇跡を拾い集めて繋ぎ合わせ絵にしていく…そんな榎並さんの画業を見ていると素朴な尊さを感じます。

2022年4月 飯田未来子

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​「貴種流離」/22×15cmm

榎並 和春 -Kazuharu Enami-

 

【略歴】

1952年   兵庫県生まれ

1981年   山梨大学教育学部美術科卒業

1983年   第1回個展 (86第2回)   (山梨県民会館)

1986年   山梨県芸術祭展ー芸術祭賞受賞 山梨県所蔵

1987年   東京セントラル美術館大賞展ー入選 同’89 ‘93

1988年   第3回個展 (89第4回、90題5回) (銀座・中央画廊)

1990年   国画会展ー初出品 以降毎年出品 (東京都美術館)

       第6回個展、91第7回、92第10回、93第11回 (甲府・おおくぼ)

1991年   第8回個展 (銀座・スルガ台画廊)

1992年   第9回個展 (銀座・銀屋画廊)

       第一回小磯良平大賞展ー入選 (神戸・小磯記念館)

       JAPAN大賞展ー佳作賞受賞 (銀座・洋協ホール)

       第五回山梨県新人選抜展ー山梨県立美術館賞受賞作品収蔵

1993年   第67回国画会展ー新人賞受賞 (東京都美術館)

       印象神戸展ー大賞受賞 (神戸市立博物館)神戸市所蔵

      第12回個展 (銀座・スルガ台画廊)

1994年   昭和会展招待 同’95  (銀座・日動画廊)

       上野の森美術館大賞展ー賞候補 (上野の森美術館)

       第13回個展 (甲府・Gallery Win)

       第14回個展 (銀座・中央画廊)

1995年   大木記念財団海外研修奨励金を得てイタリアで一年間研修

       第15回個展ナルニ市共催 (ナルニ市民劇場) 作品寄贈

1996年   第70回国画会展ー奨励賞受賞 (東京都美術館)

       第16回個展「ナルニの街かど」 (甲府・三彩洞)

 

1997年以降 個展で発表。2021年現在で個展回数は105回となる。

【主な個展開催画廊】

海文堂(神戸)/ ハーバーズ・ミル(甲府)/ 惣(銀座)/ ルポール(神戸)/ 阪急梅田本店/ 銀座松屋/ イノセント(甲府)/ 山口画廊(千葉)/ 光画廊(銀座)/ SHIMA(西宮)/ 洛(京都)/ シャギーD・G(町田)/ 企画画廊くじらのほね(千葉)

【パブリックコレクション】

山梨県立美術館/ 山梨県立大学/ 山梨英和大学/ 山梨県文化課/ 神戸市文化課/ イタリア・ナルニ市役所

© 企画画廊くじらのほね