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作田 富幸 -Tomiyuki Sakuta-
 
 
 
 
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 作田さんとの出会いは10年程前になり、当画廊でお世話になっている作家さんの中で一番長いかもしれません。当時私が就いていた仕事で偶然に近い形で知り合ったのですが、流れで見せていただいた作品に個人的に心を掴まれ、その仕事を退職した後も都内の展示にお邪魔させていただくなど不定期ながらに作品を拝見し続けておりました。なので画廊を立ち上げる際に「作田さんには絶対にお願いしたい」という思いは初めから当前のように自分の中にあり、展示のご相談をしにアトリエに伺った時は本当にわくわくしたものでした。そんな右も左もまだ何も知らない私達に対して作田さんはお会いするや否や「私の作品、売れませんよ」といきなり釘をストンと打つように言われたのですが、このひと言は今も時折思い出すくらい印象に残っております。当時の私達はその言葉の意味をよく分かっていませんでしたが、そこから3年以上かけて現在の国内美術シーンを見渡した今では、さすがにあの時の言葉が作田さんにとって冗談でも謙遜でも無かった事を少しは理解できるようになりました。 
 銅版画を少しでも経験したことがある人ほど、作田さんの作品を見るとその技術力に驚かれます。その高度なテクニックと妥協を許さない細かな仕事ぶりに支えられて刷り上がる絵は実にシュールで異質なものであり、時に「醜形」とも呼ばれそうなモチーフが多いです。けれども原画を見ているとそれらの内情は意外とあっけらかんとしているような気もして、その不思議なギャップに私はずっと魅入られてきました。最近の作田さんは過去作の版画を使って、見ていると笑ってしまうような遊び心ある作品も手掛けられており、「ワンダーランド」という言葉が似あいそうな独自の世界をさらに構築されている気がします。ご自身の中の「これでいいのだ」という方向へ徹底して進んでいくようなその姿を見ていると、何となくこちらも初心を思い出すような気持ちが湧いてきます。もし作田さんが「売れるもの」を目指して作品を手掛けられていたら、その技術力もあってトレンドに乗るようなものも充分に作れたと思います。ですがそれをやっていたらきっと今頃「作田富幸」というアーティストは存在していないとも思います。「何よりもまずは自分のために」―そこに徹する作家の作品を、私はこれからも追いかけていきたいと思い続けております。 (2024年 作田富幸個展 によせて)

作田 富幸 - Tomiyuki Sakuta -

【略歴】 
1960   山形県生まれ 
1984   東京造形大学美術学部版画専攻卒業 
1990   日本版画協会会員 
1993   文化庁芸術インターンシップ生 
2006-07  文化庁海外留学制度1年派遣研修員(オランダ) 
2009-12  東京芸術大学非常勤講師 
2019-22  東京造形大学非常勤講師
2022-   女子美術大学特別招聘教授
2022-   日本大学芸術学部客員教授

【個展】 
2014,17 不忍画廊(東京)
           B
WAギャラリー(カトワイズ、ポーランド) 
2015      Bunkamuraギャラリー(東京)  
2017  ダビドソン ギャラリー(シアトル、アメリカ)
         アトリエ サーキュレイアー(モントリオール、カナダ) 
2018  エカテリンブルグ美術館(ロシア) 

【受賞】 
2005     第6回高知国際版画トリエンナーレ(大賞)
2011     第20回ユーモアと風刺国際美術ビエンナーレ(ブルガリア) 素描と版画部門 1席受賞 
2012     第3回バンコク国際版画・素描トリエンナーレ  (タイ) 買い上げ賞     
              第15回中華民国国際版画・素描ビエンナーレ 台湾)佳作賞        
2013     CARMEN AROZENA(マドリッド、スペイン)    グランプリ受賞
              第17回バルナ国際版画ビエンナーレ (バルナ、ブルガリア) 1st Prize 
2014     第16回中華民国国際版画・素描ビエンナーレ (台湾)銀賞       
2015     第4回バンコク国際版画・素描トリエンナーレ  (タイ) 買い上げ賞
              第5回グアンラン国際版画ビエンナーレ    (中国)受賞
              マカオ 国際版画トリエンナーレ(マカオ)、佳作賞
              ビトラ国際版画トリエンナーレ(マケドニア)、 グランプリ受賞 
2016     ROC国際版画ビエンナーレ(台湾)、佳作賞

【作品収蔵】
黒部市美術館、ロサンゼルス カウンティ美術館(アメリカ)、ユーモアと風刺の美術館(ブルガリア)、 The Museum of Contemporary Art(タイ)、国立台湾現代美術館(台湾)、Jordan Schnizer Museum of Art、 中国版画博物館、エカテリンブルグ美術館

© 企画画廊くじらのほね
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